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朝稽古はたいせつ

静かな小鳥たちの囀りが響き渡り、うっすらと暗闇を朝日が照らすまだ早い時間帯…

小さな少女と栗色の髪の少年が朝稽古を行っていた。

「ふっ…」
日「遅い」

このんは呆気なく日吉に伏せられてしまった。
それが悔しいのが僅かにムスッとした表情になっている。

「師匠つよい…
またかてない…」

起き上がってパタパタと服についた砂を落とす。
日吉は軽く汗を拭いながら指導をする。

日「毎回言っているだろうが
素早さはあるが動きにムラがあると」
「わかってる…もん
…(ごきゅごゅ)」

水で喉を潤し、小さく溜め息を吐く。
自分でもわかってはいるが身体がついていけないでいた。

「ぷは…
むぅ…やっぱり煮干し食べなきゃ駄目かなぁ…かるしうむー…」
日「そこは普通牛乳だろ」
「牛乳まいにち飲んでるもん…
身長伸ばせば、ひよしくんみたいにつよくなれる…?」

ジッと日吉を見上げながら尋ねる。
が、ポカリと頭を叩かれてしまった。

日「身長は関係ない
ムラはお前の動きを少し変えれば直るからサッサと再開するぞ」
肩にかけていたタオルを置けばこのんもペットボトルを近くに置いた。
お互いに構え、どちらも同じタイミングで踏み込む。





真「む…、なかなか早起きだな、日吉に暁来」

朝稽古が終わった二人がフロアに行けば真田と手塚が迎えた。

日「おはようございます、真田さんと手塚さん
お二人も早いですね…」
「おはよ…ございます。」

日吉は頬を伝う汗を拭いながら、このんはぺこりと45°にお辞儀をしながら返事を返した。
日吉はシャワーを浴びてくると言って自室に戻ったため、このんはソファでのんびりする。

ふと、コーヒーを飲んでいた手塚が声をかけた。

手「今日は一段と冷え込むらしいからな…
防寒対策をしておくように」

マネージャーが風邪をひいてはいけないからな…と柔らかな表情で言われ、このんは頷いた。

皆が食堂に集まり、朝食を食べる。
…が…何人か寝坊している者もいる

幸「また赤也は寝坊だね。あとブン太…フフ…」
手「越前もだな…まったく、暁来を見習って欲しいものだ」

立海、青学の3人だ。
手塚はため息を吐き、幸村にいたっては笑みが黒い。
このんはトコトコと二人の側に歩み寄った。

「わたしが、起こしにいきましょー…か?」

じーっと見上げながら尋ねれば、幸村の黒い笑みは緩和された。

幸「じゃあ、お願いしようかな…
構わないかい?手塚」
手「あぁ、頼んだぞ」
「あい!」

へにゃりと笑みを浮かべて敬礼をすれば日吉のもとに行き、何かを持ってまずは近い越前のもとへ向かった。


(あれ?あれって…)
(……シンバルだな…)


シンバルが鳴る音が大音量で起きた3人の悲鳴が聞こえるまであと2分…

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