[携帯モード] [URL送信]
9時には寝ましょー

夕食が終われば各学校の部長・副部長や監督がフロアに集まって明日についてを話し合っていた。

他のメンバーはというと…

謙「合宿っちゅーたら枕投げをせんと始まらんで!」
遠「コシマエー!枕投げで勝負やッ!!」

ザ・枕投げ大会開催

フロアから自分たちの部屋が四階は離れている為かそれぞれ広い廊下で枕投げをし始めていた。

馬鹿馬鹿しいと自分は無関係を装っていた人物たちはことごとく枕の餌食にされた。

青学・氷帝・四天の次期部長がそうだったりする。

海「桃城テメェ!なにしやがる!!」
日「忍足さん沈んでください」
財「ほんま…うざいッスわ」

海堂は桃城と投げ合い、日吉は忍足の顔面に枕を投げて沈めた←。
財前は集中的に謙也に投げている

このんはというと…

「安全地帯、なの」

布団を集めて隙間に自分の安全地帯を作っていた。
隙あらば投げてたりしているが…

スッと誰かがそこに入ってきた。

柳「すまない、避難させてもらってもいいか?
…ここからなら面白いデータが取れそうだ」
「柳さんだ…あい」
それなりのスペースがあるため柳を避難させる。

「他のひと…まくらなげ?」

キョトンとした顔で柳を見上げる。

柳「あぁ、各部長・副部長がいないことをいいことにな…
柳生、滝、千歳、不二はどこかに避難しているのか見当たらないが」
「滝しゃんはぶちょー、ふくぶちょーさんたちのとこなの」
柳「的確な避難場所だな
ということは、あと10分以内に枕投げが終わる確率92.6%といったところか…」

ブツブツとなにか呟き始めた柳を横目に、このんは、あ…と何かに気付いた。

廊下に飾ってある花瓶があと少しで落ちそうになっている。

安全地帯から抜け出し、床を強く蹴る。

誰かの枕が花瓶を乗せているテーブルに当たってしまった。
それにより花瓶が落下していく。

小さな手を花瓶に精一杯伸ばす。

手に触れればサッと腕に抱え込み、廊下に身体がぶつかりくるであろう衝撃に備えた。


が、それは誰かに抱きしめられる形でこのんには伝わらなかった。


不「大丈夫かい?暁来さん」

顔を上げれば、不二に抱きしめられたことがわかった。
一瞬目を丸くしていたがあ…と少し遅い反応を示す。

「えっと…ふじさん…?」
不「クス、あってるよ
大丈夫みたいだね」

不二は上半身を起こし、自分の腕の中にいる少女を撫でた。

不「えらいね、花瓶が落ちそうになったのを頑張って受け止めるなんて…
英二、多分この花瓶かなり高いよ」

不二が顔を後ろに向ければ少し青ざめた表情の菊丸がいた。

菊「危機一髪だニャー……
ありがとねー、暁来さん
助かったよぉー」
「…まくらなげ、気をつけて…ください…」

はい、と花瓶を菊丸に渡せば不二の上から降りる。

「ごめんなさい…ふじさん。
ありがとー…です」

ぺこりと綺麗な動作で頭を下げた。
それに目を若干丸くするも、不二はクス、と笑う。

不「この場合は、どういたしまして…かな?
英二、ちゃんと花瓶もとの場所に戻しておきなよー」
菊「わかってるって!
ホントにありがとね、暁来さん」

菊丸は花瓶を元のテーブルに置けば越前や桃城のところへ戻っていった。

残った不二とこのんは顔を見合わせて笑った。

不「暁来さんは混ざらないのかい?」
「ちっちゃいから、踏まれちゃうです…。
奇襲攻撃やってる…です」
不「あ、あれ暁来さんだったんだ…
綺麗に宍戸に当たったからスゴいと思ってたんだけど」
「ひよしくんにあてようとしたら、宍戸せんぱいにあたったです…」
不「そういえば…日吉よけてたね…」

次当てるの…とムスッとするこのん、に柔らかく微笑む。
ふと、このんが小さくあくびを漏らした。

「ふぁ…ぅ」

うっすら浮かべた涙を袖でこする。

不「眠いのかな…?
まだ9時前なんだけど……」

不二の言葉に、目を丸くした。
え…?と不二は不思議そうにこのんを見る。

「あっあと何分で…です!?
あと何分で9時…です?」

どこか慌てている。
不二は不思議がりながらもパカッとケータイを開けて時間を確認した。
その間もこのんはそわそわしている。

不「あと12分だね、それがどうしたの…?」

少女は先ほどよりも慌てていた。

「わわっ…!お休みなさいですー!!」

ピューと効果音がつきそうなほど素早く部屋に帰っていった。
返事を返す暇もないほど。

ちょうど枕投げから解放された日吉が近くを通っていたため彼をつかまえる。

不「あ、ねえ日吉」

意外な人物に引き止められた為か日吉は少し目を見開いたが不二に身体を向ける。

日「!…何ですか…?」
不「暁来さんとさっき話してたんだけど、9時前ってことを教えたら慌てて部屋に帰っちゃったんだ。
何かあるのかい?」

不二の言葉に納得したのかあぁ…と声を漏らした。

日「アイツ夜は9時に寝ないと震度5の地震がおきても、どんなにデカい音が鳴っても起きないんですよ。
一度デカい地震が来たとき、それで起きないでいた為に瀕死状態でしたからね…」
不「え……」
日「それがトラウマみたいなものになって9時に寝ないといけないって感じになっているんですよ
あ、跡部さんたち帰って来たので失礼します」

淡々と言ったらさっさと部屋に帰っていってしまった。

とりあえず
不「…暁来さんってかなり変わってる…のかな…」

苦笑し、不二も自分の部屋に戻ることにした。

それから真田が枕投げをしている部員を見て怒鳴りつけるまであと30秒

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!