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生ハムはむはむ2←

練習が終わり、このんは鼻歌を歌いながら空になったドリンクボトルを洗っていた。

「るーりーら るーりーらとー
わーたしはーうーたーうーのー♪」

某歌ロボの歌の「るりら」の場所ばかり歌っている。
ちなみに、流しで洗っているのだが、身長が届かなかったために椅子に立って洗っている。

その様子に気づいた不二がクスッと笑う。

不「暁来さん、なんだか楽しそうだね、越前
…あれ?」

傍らにいた越前に声をかけたつもりだったが返事が返ってこなかったため不思議そうに横を見ればいなくなっていた。

越「暁来、手伝う」
「あ、えちぜんくん
だいじょーぶなの、もうすぐ終わるの…」

青学の生意気なルーキーは自分より小さな少女のもとにいた。
それを見て、どこから取り出したのか、カメラを構え不二はその光景をカメラに収めた。

またクスッと笑えばその場を離れた。

「えちぜんくん…、練習おつかれさま」
越「それ、二回目」
「そう…だった」

カメラにおさめられたと気付かない2人はそのまま話していた。
ボトルを洗い終え、乾いたタオルを畳み終えればこのんは立っていた椅子に座る。

越「よくやるね…あの量」

自分も近くの椅子に座る。
このんは目をぱちくりしてから小首を傾げた。

「氷帝…もっと多いの…
だから、まだ少ない方…かな…」

何人だったかな…とぼんやり考え。

越「ふーん…
そういえば、暁来って何部に入ってんの?」

ふと思い、ぼんやりしている少女に尋ねる。
このんはキョトンとし、答えようと口を開く。

が、

跡「こんなところにいやがったのか暁来に越前」
「あ、跡部ぶちょー…」

跡部が小屋に入ってきたことによって遮られた。
それに少し不機嫌になればキングは一瞬ニヤリと笑った気がした。

跡「もう少ししたら夕食の支度が済む。
そろそろ食堂にいくぞ」
「生ハムあるです…?」
跡「バイキングだからあるだろうから探してみろ」
「あい!」

生ハム♪生ハム♪
とご機嫌な状態で椅子から降りればクルクルと踊るように回っていた。

越前はそれをみて少し笑った。

越「生ハム、好きなんだ…」
「お昼も…食べたの
みんなあっち、いるです…?」

回るのをやめて跡部を見上げる。短く「あぁ」と答えればこのんの頭を軽く撫でる。

跡「日吉や他の連中はシャワーを浴びに行った。
お前らも夕食前に浴びておけ。」

俺様はもう浴びたから呼びにきてやった、と相変わらずの上から目線で言う。
越前は呆れていたがとりあえずシャワーを浴びたいのかこのんに顔を向けた。

越「じゃあ行くよ、暁来」
「あいっ
跡部ぶちょーも戻る、です…?」
跡「あぁ、少し自分の部屋に用があるからな」

3人は軽く会話をしながら館に戻ることにした。



仁「思ったより遅かったのぅ、跡部に越前とおチビちゃん」

館のフロアでは仁王、柳生、大石、河村、手塚、鳳、宍戸がソファなどでくつろいでいた。

跡「アーン?まだ10分も経ってねぇよ」
大「まぁ、暁来さんは仕事をしていてくれたんだろうし、仕方ないよ。
お疲れ様、暁来さん」

大石は優しげな笑顔でこのんを出迎えてくれた。
へにゃりと笑えばコクリと頷く。

「おーいしふくぶちょーさんも、お疲れ様…です」
大「ありがとう。
そういえば、シャワー浴びてこなくていいのかい?」
そう言われれば、越前はさっさと自分の部屋に戻っていき、このんもぺこりとフロアにいる全員に頭を下げてから小走りで自分の部屋へ戻っていった。



皆が食堂に揃えば、そこにはこのんもいた。
少しだぼついた黒いジャージを着ている。
やはりひよこリュックを背負ってきていた。

料理がバイキング形式におかれている机は船の時より少し低めな為か暁来でも料理を探すことができた。
やはり少女のお盆に乗るのは生ハム尽くしの皿ばかりだが

日「…またか」
「またなの」

スパーンと日吉に頭を叩かれたが気にしない。
イスに座ってもぐもぐと食べ始めた。

「おいひぃ…(モキュモキュ)」
滝「お水いる?」

幸せそうに生ハムを頬張るこのんをみて微笑み、水の入ったコップを見せる。
口に詰めている為がコクコクと動作でいるとしめす。
日吉は相変わらず呆れた目で、自分の弟子を見ながら取ってきたものを食べていた。

おかわりでまた生ハムを持ってくれば忍足にツッコまれるまであと3分

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