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ようこそ沢田家へ!
「明日綱吉の家行っていい?」


大好きな貴方の願いをどうして俺に断る事ができようか、
いやできまい。



ようこそ沢田家へ!



11時ごろに行くから。



今日は土曜日。いつもなら昼過ぎまで布団の中。

しかし、今日の俺は違うんだ!

この俺が何時に起きたと思う?6時だよ6時!!!平日でもこんな早く起きた事無いのに!

それでテンションあがっちゃってわーわー言ってたら上で寝てるリボーンに煩ぇんだよボケが!と愛銃CZ751のSTをぶっ放された。


でも今日は何でもこいって気持ちなんだ。

なんたってひばりさんが家に来るんだよ!始めて!!



そういう関係になってから1ヶ月、

昼ご飯一緒に食べたし、最近は毎日一緒に帰っている。
この前なんて家まで送ってもらっちゃって、別れる際にその‥キ、キスしちゃったし!!‥あの時はちょっと恥ずかしかったけど、それより嬉しかったなぁ‥もっかいした‥じゃなくて//!!!とにかく雲雀さんが家に来るのは始めてなんだ!だから色々期待しちゃったりする。




とりあえず部屋は昨日のうちに片付けた。
やましい物なんて何も無いけど。


だって俺、ひばりさん一筋だし!!



さぁ約束の時間まで後4時間!

すると廊下をばたばたと走る音。
嫌ーな予感‥。


「ツナぁー!!」


出た‥。
完ッ璧、忘れてたよ。


「朝っぱらから走るなよ!迷惑だろ!」
「いーんだよー!ランボさんは朝でも元気だもんねー!!」
「そーゆー事じゃないだろ!!」


するとランボの目はある一点を捕らえた。
恐る恐るその方向を振り向くと、案の定そこには二度寝についた赤ん坊の姿。
まずい、このパターンは確実に‥



「ちねー!!リボーン!」
「だからそんな物騒なもん出すなって!!!」



常々思っていたのだが、一体どこからそんなもん出してんだ!

5歳児らしからぬ武器を今にも投げようとしているランボの腕を掴む。今日だけは騒動を起こして欲しく無い。頼むから今日だけは!



「ランボ!あっち行こう?ランボの好きなビデオあるしさ、飴とかいっぱい用意してるし!」



よし!食いついた。
こっちを向くランボの瞳がキラキラしている。
後一押しで確実にオチる!



「なんなら昨日とっておいたケーキ、やるからさ。」



改心の一撃!!

ランボは500のダメージを受けた!



「行くーvv」



‥ふぅ、何とか切り抜けた。
後は母さんに任せよう。




「おい、ダメツナ。」


「何だよ、起きてたのかよ。」
「コーヒー10杯で勘弁してやる。」
「はぁ?」
「今日は雲雀が来るんだろ?」
「!!」


ニヒルな笑いを浮かべながら窓に足をかけた赤ん坊に、


「何杯でも奢らせていただきます!」



誤解してたよ。
リボーンってなんだかんだいったって優しかったんだな。



「絶対にファミリーに引きこめよ。」



やはりリボーンはリボーンでしかなかった。





お気に入りの服に着替えて下に降りると母さんが朝ご飯を用意していた。

そういえば、11時に来るってことは昼ご飯いるよなぁ‥。


「母さん。今日の昼ご飯多めに作ってくれる?」
「どうしたのツっ君?誰か遊びに来るの?」
「雲雀さんが来るんだ。」



「まぁ〜!!早く言ってくれれば良かったのに〜!どうしましょ、母さん、何にも準備してないわ〜!」
「もしかしてご飯、そんなに無い?」
「ううん、ご飯なら任せて!!母さん、腕によりをかけて作っちゃうから!」
「じゃあ、準備ってな「だってだって、ひばりくんってあの"雲雀"くんでしょ〜、ツっ君、いつも雲雀くんの事話してるじゃない、母さん会ってみたくてしょうがなかったのよ〜!」
「だから準備とどう関係があ「雲雀くんが母さんを見てがっかりしちゃったら大変じゃない!少しでも『素敵なお母さんだな』って思われてた方がツっ君にとってもいいでしょ〜!」



めちゃくちゃ興奮してる。

確かに昔からいつでもハイテンションだったけど、比べものにならないくらい。


鼻歌を歌いながら、早く朝ご飯食べちゃってね〜、と言う母に少し不安を感じた。





そうして色々しているうちに11時まで後10分というところまできた。



(どうしよう‥ドキドキしてきた‥‥)



そわそわと部屋にいるのがもどかしい。

いてもたってもいられなくて部屋から飛び出した。

行き先は玄関。



さぁ来い!雲雀さん!!




「何してるの、ツナ。」

「雲雀さん待ってんの!」

「‥玄関で?」

「だって待たせたくないし!」

「‥‥正座で?」

「心の準備があるんだよ!」


ビアンキがおかしな物を見る様な目付きで見ているけど気にしない。
心臓がばっくばっく言って止まらないんだ。



「あっ!ビアンキちゃん。良かったらお買い物に行ってきてくれる?」
「いいけど、ママン、ツナがおかしいわよ。」
「あら!ツナったら何で誘ってくれないのよ〜。よし!母さんも♪」



揃って玄関前で正座を始めた親子に、?マークを頭上に浮かべ、ビアンキは出掛けた。





「来ないわねぇ。」
「気が早すぎるよ!まだ3分しか過ぎてないじゃない!」
「だってツっ君の話では凄く時間に厳しい人って感じだったんだもの。」


確かにそうだ。
風紀委員という役職についているのもあり、雲雀さんは何でもきっちりしている。

この前も抜き打ちの遅刻検査をして、遅刻者に鉄鎚をくらわしていた。(俺だけ罰と称して公衆の面前で抱きしめられたけど。)

だから彼が3分といえども遅れるなんて考えられない。



彼の身に何かあったのだろうか。



まさか、事故!!!?




「ひばりさん!!!」


「何?」





愛しい人の声。




何故か後ろから。




「まぁ!あなたが雲雀くん?」
「はい。初めまして、僕、綱吉君と同じ学校の‥」
「こちらこそ初めまして!綱吉の母です〜♪雲雀くんの事は話には聞いてるわvでもこんなに格好良い人だったなんて、ツっ君も隅に置けないわねッvv」
「有難うございます、僕もこんなに綱吉君のお母さんが若いなんてびっくりしました。お姉さんかと思いましたよ。」
「んまぁ〜!お世辞でも嬉しいわvv今日はゆっくりしていってね♪」
「はい。失礼します。」


上機嫌な母は部屋へ戻って行ったが、何故ツっこまないのか、
あなたどこから入ってきたの、と。



「‥雲雀さん。」
「何だい?綱吉。」
「窓から入ってきたんですね‥。」
「うん。入ったら綱吉の姿が見えないからさ、どこ行ったのかと探してみたらこんなところに。」



そうだった。来て直ぐに帰っていったので忘れていたが、彼は過去に一度家を訪れているのだ。




‥死体の処理をしに。




「君のお母さん凄くいい人だね。これなら安心して綱吉を貰いに行けるよ。」


この人はどうしていとも簡単に俺のツボをついてくるのか。
ちょっと冷めてた熱が再び上昇する。


「そんな所に座ってたら風邪ひくよ。部屋行こっか。」


そう言って手を差し出す雲雀さんの手を取り、いざ行かん、めくりめく愛の世界へ、と思ったら、


「いったぁぁぁ!!」


長時間の正座は正直キく。
良い子の皆さんは真似しないでね。


「何やってるのさ。」
「‥足痺れちゃったんです。」
「‥馬鹿だね。」


あーあ、かっこ悪い所みせちゃったな、と沈んでいたら、いきなり視界が変わった。


「うわっ!」
「暴れないでね。落ちるよ。」


俗に言う"お姫さまだっこ"ってやつ。
さっきの撤回。皆さん正座はいいですよ、正座は。

「さぁ、行こうか。」


何か企んでいる様な笑顔。期待しちゃうじゃないですか。
でも昼ご飯は食べて下さい、母さん凄い豪華なの作ってるから。

ビアンキに渡してた買い物リストを見たら蟹やメロンという単語を見つけた。
そんなの滅多に食べれないんですから。



まぁ彼を止めるなんて出来ないのは分かってるけど。

end
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