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短編云々


不快な音に気が付いて、目が覚めた。
それは、殴る音、叩きつけられる音。そして、途切れ途切れに弱々しい彼女の呻きが聞こえた。
もう少し、耳を澄まして聞けばよりクリアに音を聞く事はできる。だけれども、僕はそれが出来なかった。彼女から酷い仕打ちを受けていたのは聞いていたし、現に聞こえた音で確認もできた。これ以上はもう、沢山だった。
僕は体を横たえたまま、あまり音が聞こえないように耳を伏せることしかできなかった。





しばらくそれに耐えていると、音が止み、引きずる音と共に男が暗い廊下から現れた。もちろん、引きずっていたのは裸のままの彼女だった。
男は無言で彼女を牢へ放り投げると、鍵を掛けて暗がりへと消えていった。

「スス!だ、大丈夫…?」

彼女は体中、傷だらけだった。擦り傷、切り傷はもちろん、蚯蚓腫れや打撲など、殺さずに痛めつけられていたのがわかる。

慌てて彼女を抱き寄せて、布を彼女に掛けようとしたけど、彼女はそれを制止した。

「…いい。大丈夫…だから。布、傷に擦れて痛い…。それに、すぐに治るから。」

「…でも…。」

「…ほら、もう、治ってきたから…。」

彼女は肩の傷口を指差した。
驚いたことに、傷口が金色に輝いていたんだ!
それは、光や炎のような明るさとしての輝きではなく、金属の光沢の輝きだった。まるで、皮膚の下から溶かした金が滲んでいるような不思議な光景。そして、みるみるうちに彼女の傷口はどんどん消えていったのだ!

「え、ええ!?すごい…。スス、君って…?」


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あきゅろす。
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