短編云々 5 次の日、学校に入部届を提出した。一晩考えたんだけど、あんな不思議な空間でお茶のみながら花に水やればいいだけなんて、おいしい話じゃない? そういえば、顧問の先生に“何故、生化学部?”って聞いたら、生物部と化学部が一緒になっただけだから、と言われた。安直なネーミングだこと。 放課後、生物室に行こうとすると、クラスメートに呼び止められた。 「ねぇ、桂時さん。生化学部に入ったって、ホント?」 「え、うん。そうだけど?」 「なんかさ、あそこの部長ってどっかおかしいらしいから、気を付けてね。」 「はぁ…、どっか…ね。」 まぁ、あれはおかしいでしょうね。確かに気持ち良くはない。 「なんか変ってか、変態ってウワサだしさ…。とりあえず、頑張って!」 「あい…。」 私の不安を煽ったクラスメートは運動部の部室棟へと消えていった。 まぁ、どうでもいい。私は好きなことをしたいだけだし。人と同じ事をしても楽しめないから。 みんなと同じ格好して、みんなと同じ群れになって、同じ話題で盛り上がって、同じ時間に帰って、何が楽しいの? 同じじゃ駄目なの。私は。 他人と同じ事をしていても、楽しいと思えない。いつまで経ってもフラストレーション。満足出来ない…。私を満たしてくれる存在を、早く見つけださなくちゃ。 [*前][次#] [戻る] |