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 ┗紅と白と


「びびび、びっくりしたぁ〜!?…もぅ、こんな時間かぁ。」

慌てて携帯電話のアラームを消して布団からもそもそと這い出ようとする。そう、這い出ようとするけど出られない。

「んー!シロ、離してよぉ〜。」

「おはよう、べにこ。ちゅー!」

おはようございます、を言う暇なく口を塞がれてしまう。可愛らしいリップ音を立てながら、シロは何度も唇や頬に触れるだけのキスをしてくる。

「べにこ、ちゅーしてくれたから、おかえし!」

「お返しって…起きてたの?」

キューンと声を漏らしながら、私の胸に顔を埋める怪人さん。アナタ、目が無いので黙っていると起きてるか寝てるかわかんないのよ!
シロとしばらく一緒に居るけれど…こればっかりは未だに見分けがつかないのよね。
真夜中の寝言も相当びっくりしますけどね。

「まぁ〜いっか。今日は土曜日で大学もバイトも休みだし。もうちょっとゴロゴロしていよう。」

「うん!」









カーテンの隙間の朝日がベッドに光の線を作る中、クスクスと二人でお話しもなかなか悪くは無いのかも。
シロが前よりもずっと話すようになって、脱皮してからはヒトの心情も感じ取れるようになってきた。

まるで人間みたい。

私があんな夢を見たのも、シロが日に日に成長していくのを感じているからなのかも。
契約を承ったと言った謎の男は、シロはそのうちに羽化すると言った。
羽化、ねぇ…。孵化なら鳥だけど、羽化だと虫?…え?じゃあ、シロってそのうち虫になるの!?水しか飲まないしホタル的な!?今のままでもギリギリ許容範囲なのに、虫じゃ完全アウトじゃないかぁぁああ!!


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あきゅろす。
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