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 ┗紅と白と


固まり続けるワタル君。心なしかちょっとだけ彼の力が緩んできた。

小さな声でブツブツ言ってる最中申し訳ありませんが…。

ドゴッ

スキを見て両足を彼の体の下から抜いて、寝たままの態勢か〜ら〜の、ドロップキック!!

「うわ…、大丈夫か…な?」

ワタル君は態勢を崩して、そのままベッドの足元にあるテレビ台へ後頭部を強打。そして、失神してらっしゃる…。

ベッドからテレビ台まで、だいぶ離れていたと思うんだけど…。結構、派手に吹っ飛びましたね。

「ごめんね。でも、やっぱり、貴方の方が悪いと思うの。正当防衛だから大目に見て下さい!」

呼吸も心拍数も正常!外傷も見当たらなかったので、声だけ掛けて脱兎の如く退散致します!






ホテルの場所が知らない所だったらどうしようかと思ったけれど、以外にも駅前の通りから一本だけ中に入った所だったので安心。
このまま合コンに参加する気になんてならず、萌ちゃんには連絡を入れておこうと思う。

「あ、萌ちゃん…。ごめんね。私、帰る…。」

電話越しに彼女の明るい声が聞こえる。

『わかったよ。てか、ワタル君が家に送るって言ってたんだけど、まだ帰って無かったの!?大丈夫!?』

「あ〜…、そうだね…。後で話すから楽しみにしててよ。」

『うん。じゃあ、気を付けて。あれだったら、そろそろお開きにするからそこまで迎えに行くよ!』

「ううん、大丈夫。もうすぐ家に着くから。」


今さっきあった事は、しばらく言えそうも無い。
萌ちゃんの声を聞いて安心したせいか、さっきの感覚や感情が甦って、手が、震える…。

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