┗紅と白と
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私の話を、ニコニコしながら聞いてくれるワタル君。私の動きを彼の目が追う。
最近は、シロと一緒にいるせいか、動きを目で追われたり、話の途中で目が合ったりすると、ものすごく落ち着かない。相手の目線ばっかりが気になってしまう!
しかも、好きでもない相手からそんなに熱の籠った目線を浴びせられてもどうしようもない。
もし、もしもシロに目があって、こんな風に見つめられたら…。私はドキドキしちゃうんだろうか…。
いやいやいや、目の前に違う男がいるのにシロに置き換えちゃうんですか!?私!!
もしかしたら、相当重症かも知れない…。違う男の子がいても、シロの事ばかり考えてしまう。なんで、シロの事がこんなに気になるのぉー!?
「何、考えてるの?俺、変な事言っちゃったかな?」
「あ!違うの!家にペットを置いてきちゃったから…ちょっと、心配で。」
「へぇ〜。そりゃ大変だね。何飼ってるの?」
…怪人を飼ってます。って、んな事言えるか!
ど、どうしよう…。何とか誤魔化せないか…。
「え、え〜と…白くて、すべすべしてて、口が大きな生き物かな?」
「は?………ウーパールーパーとか?」
「え!?あ、うん!よくわかったね!」
よぅし!ナイス勘違い!
一時はどうなる事と思った。あぁ〜、良かった。
「ま、いいか。紅子ちゃんお酒すすんでないよ?もっと飲みなよ!」
「あ、うん。」
あんまりお酒は強くないけど…。余計な事は考えたくないし。紅子、飲みまーす!
「はは!いい飲みっぷりだね!」
ありがとうさん!でも、やっぱり飲むと眠くなっちゃうな…。瞼が重くなってきた…。
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