┗紅と白と 2 いつも思う。この、シロの子犬の様な鳴き声、これって反則ですよね?ああ!なんという罪悪感!純真無垢なシロを騙してまで、私は合コンに行かなければならない! それは何故かと言いますとですね、お友達がわざわざ、彼氏がいない(友人にはシロの事は話せないので彼氏イナイ歴は今のところ更新中となっている)私の為に開くという合コンだからなのです。 ハッキリ言って要らんお世話だけど、他人のご厚意を簡単には断れない性格なのですよ。 しかし、こればかりは胸が痛む思いです。私に絶対の信頼を寄せるシロなのに…。あ、私はきっと浮気出来ない人間ですね。今、確信したわ。 「…ごめんね。でも、ちゃんと帰ってくるから安心して!」 「……うん!」 そう言って、思いっきり私に抱きつくシロ。ゴロゴロと喉を鳴らして喜んでいるのはいいけど、…く、苦しい。 「う〜、苦しいよ、シロぉ。」 私が言うと、直ぐに力を緩めてくれた。が、いきなり視界がぐるりと反転。 あぁ、シロに覆い被されちゃってますよ。 「…シロ?」 口だけのニンマリ顔に声を掛ける。最近、わかったけど、この顔の時って大体がエロい事を考えているんですよね。 シロはゆっくりと私に顔を近づけて、頬にチュッとキスをする。そして、耳元で囁く。 「…紅子とシたい。…駄目?」 珍しく、私に許可を乞うシロ。でも、そんな声で甘えられたら、拒否なんて出来ません! シロの、この声で名前を呼ばれると、肋骨の裏側をなぞられた気分。心がざわざわして落ち着かなくなる。 そして、私はドキドキしながら答えた。 「…うん。私もシロとシたい。」 *前へ次へ# [戻る] |