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雨空
玩具

エイリアンに寄生された船の真ん中あたりに来てみれば、坊主がいた。

神楽を探してる。

『坊主、血の匂い、気付きませんですか?』

「おまっ…斬凪!何で来た!」

『小生よりも可愛い可愛い神楽ちゃんの血の匂い、分かりませんですか?』

「な…っ!?神楽ァァァァァァア!!」


神楽は腹から血を流して倒れていた。

側に、変なもんが生えているデブと爺が体育座りしてた。
坊主が2人を脅しているようだが2人とも罪のなすりつけあいをしているだけ。

キレかかった坊主が傘を構えたが、神楽が止めた。

何やら話していたので小生はデブと爺を見た。

『ねえねえ、君たち神楽に助けてもらったのですよね?』

「え、まあ、はい」

『その相手が怪我をしたならば、軽くでも手当てしてくれても良いのではないのですか?』

ドコォン、笑いかけながら近くの壁を破壊すると二匹は震えあがった。

「わっわしゃ知らん!手当てなんて仕方わからんし!じぃがすればよかったんじゃ!」

「じじいだって怖かったんだよ!じじいの心臓バックバクだったんだよ!」


ドゴォォン、さっきよりも強めに破壊した。
とりあえず二匹は黙った。


『神楽は、小生のお気に入りの玩具なのです。可愛い可愛い玩具。
もし死にでもしたら腐ってしまってかわいらしさなんて無くなってしまうのです。
生きていたから良いのですが、死んでいたらお前たちもぶっ殺していたのです。
神楽に感謝するのです』

「ひぃ…っ!?」


きっと、このときの小生は歪んだ笑みを浮かべていた。

だって、デブと爺の目には絶望と畏怖しか浮かんでいなかったから。



『次はエイリアンなのです。
坊主、邪魔するななのですよ』

「しねェよ、血濡れの灰猫の邪魔なんか」


化け物は化け物らしく、化け物と戦りあえばいい。



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あきゅろす。
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