雨空
ふくちょうほさ
神威。
小生と同じ、戦うために生きる、夜兎。
神楽の兄。
星海坊主の子。
まだどぶ川にいた頃、小生に笑いかけてくれた物好き。
また、強くなったかな。
早く、早く、戦いたい。
早く―――――――…
「――、おい、斬凪?」
『ふえ?』
「やっぱり聞いてなかったか…」
土方が小さくため息をつく。
『ごめんなさいなのですよ。少し考え事です。』
「じゃあもう一度聞くぞ。
地球から、出て行ってくれねえか。」
『嫌です。』
「……(即答かよ…)そうか。」
それっきり、土方は黙ってしまった。
何か考えているようだったが、しばらくすると顔を上げて言った。
「なら、条件がある。」
『条件、ですか?』
「ああ。お前は、強いんだろ?
ちょうどやってもらいたいことが見つかった。
斬凪。
お前に、真選組副長補佐になってもらいたい。」
『ふくちょう、ほさ?』
というわけで、小生はなぜふくちょうほさになった。
面白そうだから、という理由で、初めて引き受けた依頼だった。
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