雨空
気まぐれ
血濡れの灰猫。
それが小生の呼び方らしい。
小生は夜兎だから血濡れの兎のが良いんじゃないですか。
気まぐれで地球に来たら、懐かしいピンク色が見えた。
隣にいるのは星海坊主、かな。
『おーい坊主ー神楽ー』
ちょいと呼びかければ、びっくりしたよーに2人ともこっちを見た。
「…斬凪?」
うん、斬凪ですよ。
『へえ。神楽は坊主と帰るのですか。』
「いい加減坊主って呼ぶの止めてくんね?おじさん呼ばれる度にぴきってくるから」
『神楽元気無いのです。ここの止まり木から離れたくないのですか?』
「ちょ、無視はやめてェェ!」
「…離れたくないけど……銀ちゃんに帰れ言われたネ。」
神楽が小生の服の端を握ってる。
何か可愛い。
『帰りたくないならその銀ちゃんにおねだりすればいいのですよ。女の武器でも使って』
「オイ、そろそろ船が出るからそんくらいにしとけ。
お前は何で地球に来たんだ?血濡れの灰猫さんよ」
『気まぐれなのですよ。』
そう、ただの気まぐれ。
強者が居れば、すぐに飛びつく。
血で血を洗う、血濡れの灰猫。
*
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!