雨空
サドと灰猫
今日もサボろうと思って公園に来たら、番傘を差した2人の少女がいた。
1人はクソチャイナ、もう1人は…
「あんた確か…土方さんが言ってた血濡れの灰猫とかいう奴ですねィ。」
黒い番傘、灰色の髪、藍色の瞳。
こんなにぴったり条件が合うのだから間違いない。
実際にじっくりと見てみると、チャイナ同様小柄な少女で、不思議なほど無垢な瞳。
昨日原田を地面にめり込ませて重傷を負わせ、エイリアンを軽くぶっ潰してたなんて信じがたかった。
チャイナもあの星海坊主も凄まじい力でぶっ潰していたが、こいつは全力なんて出さずに、足だけで、軽く、ぶっ潰していた。
本当の化物とは、こいつみたいな奴のことなんじゃないかと柄にもなく思った。
…あえて新鮮グミにはつっこまないでおこう。
『小生の名前は斬凪です。
血濡れの灰猫なんて長ったらしくて面倒なのですよ』
変な口調だな。
…俺が言えたことじゃないが。
ちらりとチャイナを見ると、不機嫌そうに頬を膨らませて酢昆布を噛んでいる。
「斬凪ー…早くブランコ乗ろうヨ……」
『はいなのですよ』
にこ、と笑いチャイナと一緒にブランコに乗り、どうやらチャイナにこぎ方を教わりながらブランコをこぎ始める斬凪。
「…ブランコ、知らねェのかィ」
少しばかり驚いたが、眠くなってきた。
そろそろ寝ようと思いアイマスクをつけ、ベンチに横にな「総悟ォォォォォォォォ!!」
……チッ。
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