雨空
破壊、自滅
『これを壊せばいいのですか…楽しめそうなのです』
目の前のデカブツに番傘を振り上げ、薙いだ。
ゴシャァァァァン、と派手な音を立てて首が吹っ飛んだ。
『…あれ?』
その一撃のあと、デカブツは片腕をあげた。
しかし、それは小生やジアースではなく、自身を削った。
『自殺、なのですか?』
核らしきものを取り出し、握りつぶすと、デカブツは崩れ落ちた。
『つまらないのですよ…』
「それにしても恐ろしいな、夜兎ってのは」
『コエムシ』
「あの装甲を破壊しちまうたぁ、あっちのが自滅しなきゃてめーだけでも勝ってたかもな」
『反撃してくれないからつまらなかったのです』
「くくく…本当に狂った化け物だな」
『小生はやっぱり狂っていますですか?』
「ああ、相当な」
『ところでコエムシ、小生は元の宇宙に帰りたいのですよ』
「別に構わねー。
…はぁ…ガキ共がビビってやがる…めんどくせー」
『感謝なのです』
次の瞬間小生は元の宇宙に戻った。
『みんな、死んだのでしょうかね』
星を守るため、死ぬ。
その心は小生にはどうしても分からなかった。
『今夜は久しぶりの布団なのです』
屋根から降り、万事屋の中に入った。
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