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猫のきもち2
元に戻れる!私とソウルはお互い顔を見合わせた。

箱を開けるとそこにはマタタビが入っていた。

「何よこれ!」
バン!とテーブルを拳で叩くと、その拍子に箱は空高く舞い、ソウルの体にバラバラと落ちた。
辺り一面にマタタビの匂いが充満する。

途端に体中に電流のような痺れが走った。
つま先から指の先まで、何かが這上がる感触。
「はぁっ、はぁっ」
息が苦しい。体が熱くなる。
「おいマカ、平気か?」
机に手をつき、急に様子が変わった私を心配してくれるソウル。
自分の手の平を見ると微かに震えている。
「にお、い」
「え?」
「ソウルの匂いで、へんになるっ」
息が荒いまま一気に巻くしたてた。
ソウルは、やっと気付いたようで自分の服の匂いを嗅いでから「ああ」と呟いた。
「俺には何ともないけどな」
そりゃあんたは猫じゃないからと、言おうとしたが声にならない。
代わりに口から出てきたのは信じられない言葉だった。
「ソウルぅ、ちょうだい…」
頭の何処かで、もう一人の自分がレッドカードを出すが今の私には、この熱い体を静めたい一心だった。

本能、というのはこういうことなのか。
ソウルはニタニタと笑い、身を翻した。
「やだね」
ソウルはリビングを抜け、するすると階段を上っていく。
「欲しかったら、上まで来いよ」
普段だったら、こんな挑発にも、のらないのに今日は違う。
ソウルが欲しくて欲しくて堪らない。
一刻も早く体の熱を冷ましたかった。
私は言われるがままに階段を上っていきソウルの部屋へと着いた。
「くれるでしょ?ね、ソウル」
努めて冷静な声を出すが、今すぐにでも捕まえて離したくない。
我慢が、出来ない。
頭がクラクラして、おかしくなりそうだ。

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あきゅろす。
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