彼女はつれない女王様! 5 『なら、お姉ちゃんと一緒においで?お姉ちゃんが新しいクッキーあげる』 『本当!?』 『あなたが、お母さん思いのいい子だから、今回だけ特別。お母さん、喜ぶといいね?』 『うん!』 ニパッ、と笑う男の子が可愛くて……ユリは手を繋ぎ、一緒に歩きながら「こんな弟がいればいいなー」と密かに思っていた。 ちなみに、高校生の男の子も一緒についてきている。 なぜかというと、元々アリスと藍月堂へ行こうとして迷子になっていたそうだ。 ならばついでと、一緒に行くことになった。 『僕、幸也って言うの!お姉ちゃんとお兄ちゃんはなんていうの?』 『私はユリって言うのよ、よろしくね幸也くん』 『俺は春!よろしくな幸也、ユリ!』 いきなり呼び捨て……顔を引きつらせる心持ちだったが、相手は年上のようだし詳しく突っ込むのも面倒だし。 ということで、三人仲良くお店に来たら例の陰険性悪眼鏡が、春を見つけて飛びついて。 [*前へ][次へ#] [戻る] |