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黒バス
洛山クッキング♪続編
待ちに待った日。
紫原がいる秋田まで行く日が遂に来たのだ。
「敦、待ってろよ…!」
玲央に教えてもらった作り方で作ったキャロットケーキが入った紙袋を胸の前で大切に抱え込み、秋田行きの新幹線へと乗り込んだ――。


「赤ちーん!こっちだしー!」
駅に着くともはや紫原が待機していて無意識に顔が綻んだ。
「久しぶりだな。元気だったか?」
「うん。俺は元気だったよー。赤ちんは?」
「ああ。僕も変わりない」
他愛ない会話をしながら寮へと歩く。

「赤ちん、その紙袋なーに?」
途中で赤司がずっと大切そうに抱えていた紙袋に気づく。
「これか?これは…ふふっ!寮に着いてからのお楽しみだな」
「えー気になるし…」
そんなことを話しているうちに寮に到着した。

「ただいまー」
「お邪魔します」
誰もいない部屋にもきちんと挨拶をして上がる。
「綺麗にしてるな。えらいぞ敦」
「昨日、今日赤ちんが来るから室ちんと片付けたんだしー」
そうか、と返事を返しつつキャロットケーキを皿に盛り付ける。
「あー!ケーキじゃん!買ってきたの?」
赤司の手元を覗き込みながら紫原が問いかける。
「違うよ。僕が作ったんだ」
皿を両手に持ってテーブルまで運ぶ。
途中のコンビニで買ったアイスティーをコップに注ぎ準備は完了した。
「敦、上手くできているか分からないが食べてみてくれ」
あえて人参が入っていることは言わないでおく。
「おいしそー!いただきまーす」
手を合わせてから食べ始める。
もぐもぐ…もぐもぐ…。
「……どうだ?」
なかなかコメントを発さない紫原を心配そうな赤司が見つめる。
「おいしー!赤ちんこれなんのケーキ?」
しばらくして紫原がやっとコメント言う。
どうやらお気に召したようだ。
「これな、人参のケーキなんだ」
言った瞬間紫原の体が固まったような気がした。
「……マジで?」
「大真面目だが?」
急にケーキに手をつけなくってしまった紫原に一言。
「……やっぱり、不味かったか。玲央に習って頑張って作ったんだが…」
あからさまにしょんぼりとした赤司に紫原は慌てた。
「いや!違うの赤ちん!このケーキ普通に美味しいのに人参入ってるっていうから驚いただけなの!」
そう言いまたパクパクと食べ始める。
「無理しなくていいんだぞ?」
「無理なんかしてねーし。……赤ちん、ありがとね」
ふにゃりと笑った紫原の笑顔を赤司一生忘れることはできないだろう。


――――――――――――――
僭越ながら!まさいさんの洛山クッキングの続きを書かせていただきました!
赤司が可愛すぎて生きるのが辛い!

まさいさん素敵な話を書いてくださってありがとうございました!

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