雪屑のエスカレーター
▼跡部
「お前、気に入った。テニス部のマネージャーになれ!!」
「はぁっ!?」
コイツ気に入った、俺様相手にこの態度。
それに、テニス部に対してミーハーな様子も無い。
逆に悪く言えば、卑下して避けている。
俺らに興味が無い事から、コイツはマネージャー業務はきっちりこなせそうだ。
何よりこの態度は、最近少し示しのつかない奴等には丁度良い薬だ。
「ふっ…お前に拒否権はない。解ったな。」
俺様がそう言うと、津軽は心底不服そうに俺を睨み付ける。
「嫌。」
予想通りの答えに苦笑しつつ、津軽に条件を突きつける。
「タダとは言わない。ただし、1週間は試しにマネージャーに来い。そして1週間内に俺達ができそうな条件を出せ、それが出来なければお前を解放してやる、お詫びと言っては何だが俺様がお前の望みを叶えてやる。」
すると、少し難しそうな顔をしてか、何か思い付いたように俺様を見た。
「私を笑わせたらマネージャーを続ける」
笑わせる……確かにこの女の顔は人形見の様に余り表情が変わらず表情に乏しい。
難しそうと言えば難しいな
「条件は解った、望みは何だ」
津軽は真っ直ぐにお前を見つめて、言い放った。
「テニス部が一切私に関わらないこと…これが私の望み。」
やっぱり、面白い女。
2014/2/24[Mon]
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