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雪屑のエスカレーター
▼向日
【向日視点】


朝クラスに入ると、やけに騒がしくなっていた。
なんか噂で盛り上がっているみたいだった。
気になるから聞いてみると、俺のクラスに転校生がやって来るらしい。
6月に転校生なんて珍しいな

「岳人、おはようさん」
「嗚呼、有士おはよう。なあなぁ有士、聞いたか転校生来るんだってよ」

この事を有士に伝えたくて行ってみると、有士は少し笑ってから

「みたいやなぁ、せやけどこの時期に珍しいな転校生って」
「だな、そう言えば俺らの間の席空いてるよな。」

俺と有士の机の間には、誰も使っていない机がある。

多分、この席に転校生が座る事になるんだろうな。

しばらくしてチャイムが鳴り、担任が入ってきた。

「今日は転校生を紹介する、入って来い」

担任の言葉と同時に教室のドアが開く。
入ってきたのは多分クラス、いや学年では一番小さい部類になる身長の女子だった。
うつ向き加減で顔が見えないが、第一印象は小学生みたいな外見だなぁなんて思った。

「自己紹介できるな」
「…はい。津軽七美と申します、よろしくお願いします。」

お辞儀をし顔を上げると、クラス中が息を飲んだ。
整った顔立ちと白い肌、一瞬人形は言葉を話している様な感じがした。


「わぁ、ちっちゃい可愛い!!」

女子達は騒ぎ始める。
しかし、俺は津軽が妙な奴だと思う。
だって、あいつ表情1つも変わんないから




2014/2/12[Wed]

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