雪屑のエスカレーター
▽
目が覚めると、また白い天井が有った。
嗚呼そうか、また倒れたんだ
ゆっくり起き上がろうとすると、何かが自分の手を握っていることに気づく
「……っ、岳人!?」
どうして!?岳人が居るの?
隣には私の手を握り
ベッドに半身を倒れ込むようにして、眠っている岳人の姿があった
そう考えている内に、
私が起きた気配が解ったのか、保険医がカーテンを開けて入ってくる。
「起きたわね」
「はい」
「まだ顔色は、良くないわね」
そう言うと、保険医は体温計を渡してくる
私は体温計を受け取り、熱を計っていると
保険医は私の手を、確りと握り眠っている岳人に目を向け
「彼が貴方を運んできたのよ」
岳人が、私を?
「彼ね、休み時間になったら貴女の所に来て心配そうにしてたわ」
それで、寝てしまったのか
でも、私には解らなかった
なぜ岳人が、私を助けたのか?
どうして、私のそばに居るのか?
熱でぼんやりした思考回路では、考えがまとまらない
ただ、私が今頭で考えられることは
岳人、貴方の気持ちが私には解らない
今こうして隣に居るのは、岳人が優しいから?
助けてくれたのは、貴方が私に同情しているから?
ねぇ、岳人……貴方は、何を思って私の側に居るの?
2014/11/24[Mon]
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