[携帯モード] [URL送信]

雪屑のエスカレーター




目が覚めると、また白い天井が有った。

嗚呼そうか、また倒れたんだ
ゆっくり起き上がろうとすると、何かが自分の手を握っていることに気づく

「……っ、岳人!?」

どうして!?岳人が居るの?

隣には私の手を握り
ベッドに半身を倒れ込むようにして、眠っている岳人の姿があった

そう考えている内に、
私が起きた気配が解ったのか、保険医がカーテンを開けて入ってくる。

「起きたわね」

「はい」

「まだ顔色は、良くないわね」


そう言うと、保険医は体温計を渡してくる

私は体温計を受け取り、熱を計っていると
保険医は私の手を、確りと握り眠っている岳人に目を向け

「彼が貴方を運んできたのよ」

岳人が、私を?

「彼ね、休み時間になったら貴女の所に来て心配そうにしてたわ」

それで、寝てしまったのか

でも、私には解らなかった
なぜ岳人が、私を助けたのか?
どうして、私のそばに居るのか?

熱でぼんやりした思考回路では、考えがまとまらない

ただ、私が今頭で考えられることは


岳人、貴方の気持ちが私には解らない

今こうして隣に居るのは、岳人が優しいから?

助けてくれたのは、貴方が私に同情しているから?

ねぇ、岳人……貴方は、何を思って私の側に居るの?




2014/11/24[Mon]








[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!