雪屑のエスカレーター
▽
目が覚めると白い天井が映る
確か殴られている間に侑士が来て……助けてくれたんだっけ?
その後、侑士に助けないでって強がって意識が途切れたんだ
ゆっくり思い出してから身を起こすと
物音で私が起き上がったことに気が付いたのか、カーテンを開けて保険医が入ってきた。
「津軽さん。体調の方は大丈夫?」
「はい」
「そう良かったわ。運ばれていたときは真っ青だったから。」
「そうですか」
保健室の窓からは夕日が差し込んでいる。
きっと昼休みから眠りぱなしだったんだ
私はベッドから立ち上がり、保険医にお礼を言って出ていこうとすると
保険医が私を呼び止めた。
「嗚呼、そう言えばさっき向日くんが津軽が倒れたって本当ですかって、血相かいて少し前に来たわよ」
岳人が!?
信じられなかったが保険医が嘘をついている様子はないため、驚きながら頷くと
保険医の女性は柔らかく笑い
「心配していたから、彼にも元気になったことは知らせなさい」
そう言って保健室から出る私を見送ってくれた。
2014/11/23[Sun]
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