雪屑のエスカレーター
▽
一週間が経ったけど、
私は岳人にアレ以来、話しかけられなかった。
岳人が隣のクラスの人と付き合い始めたこと
何よりこの前の噂から、私と岳人には大きな溝ができた。
ただ私は岳人を一方引いたところから見るだけ
岳人に気付かれないように、岳人を遠い場所から見守るだけだ。
あと変わったことといったら、また虐めが始まった。
この一週間、何度呼び出しを受けて、呼び出しを無視しても発見されて殴られていたか 解らない。
「いい気味よね」
「本当。今までは仕方がなく向日くんは優しくしてたのよ」
「なのに頭に乗るから」
女子生徒の集団が私を取り囲み、殴る蹴るを繰り返す。
前までの私なら減らず口を叩いていたけど
今の私には、もうそんな事が言えるほどの気力もなかった。
ただ私は女子生徒集団に痛め付けられながら、ずっと考えていた。
もし私が岳人に心の底から嫌われて、消えるときが来たら
私の存在は彼の中から消える事ができるのかと
ただ祈った
痛みの中で私が早く消えてしまうことを。
2014/11/23[Sun]
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