雪屑のエスカレーター
▼向日
泣いて走り去った七美が気になって追いかけると
そこには侑士に抱き締められて、泣く七美が居た。
一瞬期待した。
あの時「あの噂を信じたの?」と問い掛けてくる七美の姿や
屋上のドアの近くで涙を流す七美に。
でも、俺の未練が見せた幻想だったのだろうか?
そこに女子生徒が後ろから歩いてくる
俺が目を向けている方向を見て「やっぱりね」と小さく言い
あの日と同じように言う。
「やっぱりね。報われない恋より、報われる幸せの方が良いでしょ?」
俺の手を女子生徒が握る
「だから私と付き合ってよ」
七美がと退かないのなら
七美を忘れるために…俺は───。
2014/11/23[Sun]
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