雪屑のエスカレーター
▽
岳人が女子生徒に抱き付かれた姿を見て
私は誰もいない中庭に走り逃げた。
涙が止まらなくて、声がでない程泣いた。
涙は止まらなくて、誰かが近付いて来ているのに泣き止めなかった。
こんな状況なのに、岳人だったらなと考えるのは、私が彼に依存していただからだろうか?
「……?」
見上げるとそこには侑士が立っていた。
「七美ちゃん、何か有ったんか?」
「………」
ショック状態の私は侑士の言葉に答える気力は残されていない
ただ黙って頷いて、侑士の問いかけに答えるしかなかった。
頷いている間にも涙が溢れてくる。
泣き続ける私に、何か温かいものが覆い被さった。
それが侑士だと、解るまでに数分経ったけど
私は贅沢かもしれない
こうして抱きしめられていても、岳人を思い出す
何より彼の腕の中で泣くと言うことは、侑士に甘えてしまっている。
内心は岳人の事を考えて、そして侑士に悪いと思いながら私は侑士の腕の中で泣いた。
どうしてすれ違ってしまったのだろう
2014/11/23[Sun]
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