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雪屑のエスカレーター
▼向日



七美の表情や態度を見て違和感を覚えた。
七美は嘘をついてまで、俺には近づかないからだ。

だから俺はあの女子生徒の言葉が少し気になった。
あれば嘘なのか?
そして噂はお前が流したのか?と聞きたくて

屋上へと連れられて俺は、女子生徒に聞きたいことを口にした。

「なぁ、あの噂を流したのはお前か?」

もしそうならアレは、この女子生徒が仕組んだことになる。

問い掛けてみると
女子生徒は口ごもってから、いきなり鳴き始める。

「……何いきなりっ。向日も私を疑うの!!」

ヒステリーに泣き叫び始める女子生徒に俺はビックリして
このままじゃ俺が泣かせたみたいになる
それだけは回避したくて、俺は慌てふためきながらも女子生徒に言う。

「そうじゃなくてな、お前だったら知っているんじゃないかと思って」

俺がそう言うと女子生徒は泣くのをやめて、「本当に?」と気いてくる。
だから仕方がなく「本当だ」と言い。
すると女子生徒は「取り乱して、ごめんね」と言うと
「実はね、向日くん。私がここに呼んだのはね……付き合ってくれませんか?」

赤くなりながらも言ってくる女子生徒
しかし俺は、もしかしたら七美が侑士と付き合っているかもしれないけれど
七美のことが頭に浮かんだ。

「悪い、俺はお前の気持ちに答えられない。」

「う゛っうぅぅ…」

女子生徒は泣き出した
そして予想だにしない行動をとってきた。
そのまま抱き付いてきた、引き剥がそうとするが
俺はドアの方の視線に気が付いて目を向けると
ドアの影に隠れるかの様に七美が居た。

しかし七美の表情は、今まで見たことがないくらいに辛そうだった。

その時、俺は七美を傷付けた そう実感した。

逃げるように走り去っていく七美を見て、俺はいたたまれなくなって女子生徒を引き剥がし
七美の後を追いかけた。





2014/11/23[Sun]

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あきゅろす。
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