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雪屑のエスカレーター




あの女子生徒に呼ばれた時の、岳人の様子が変だった。

何かあるのだろうか?

「ねぇ侑士。」

「ん。何や?」

「ちょっと気になるから、私言ってくる」

私がそう言うことを予想していたのか、侑士は「気い付けや」と一言、言ってくれた。

私は岳人と女子生徒が向かった、屋上へと向かい空いたドアの近くに静かに座り込み。
ドアの手前から、屋上に目を向けた。

そこには岳人とあの女子生徒が話し合っていた。

しかし声でまでは聞こえなくて、ただ2人の口の動きで何か話していると言う観察しかできない。

しかしその様子に変化が有った。

女子生徒が岳人に泣きながら抱き着いた。

「っ…………!!」


何故か居場所を失ったような気がした。

胸の中で靄がかかったような、違和感と悲しさが込み上げてくる。

涙が頬を伝う感触と
詰まるような息の中私は、その場を離れた。






2014/11/17[Mon]



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