雪屑のエスカレーター
▽
夕食後に携帯が鳴った。ディスプレイを見ると忍足さんからだ。
「もしもし」
『もしもし、こんばんは津軽さん』
「はい」
携帯から忍足さんの緊張した声が聞こえてくる。
『あのなさっき岳人に連絡取ったんやけどな。アイツ反省しとった……けどな』
「けど?」
次の言葉に緊張する
『アイツは津軽さんの事を考えすぎて、拗らせてああいう言い方をした。それだけは確かやな』
「……はい。」
岳人は優しいから、私を心配して怒ったことは私にも解る
『……でやな津軽さん。自分に1つ聞きたいんやけど、津軽さんは岳人が好きなんか?』
「え?」
いきなりの忍足さんの言葉に変な声が出る。
『せやないと、相手の言葉に動揺せいへんしな。もしかして好きなんちゃうんか?』
驚きのあまり言葉が出ない。
『まぁええは、とりあえず明日の朝の11時に今日の事について話したいんやけど、時間空いてるか?』
「空いてます」
『さようか、じゃあまた明日な。お休み』
「はい、お休みなさい」
電話を切り眠りに着こうとベッドに横になるが、私は忍足さんに言われた言葉が頭の中で何度も再生されて、なかなか眠れなかった。
「……私が、岳人を…好き?」
好き?なのだろうか!?
よく解らない
岳人は大切な友達で恩人だと思っているけど、それ以上の感情を私は抱いているのだろうか?
そもそも恋愛感情を今まで持たなかった私にとっては、判別がつけにくかった。
2014/10/5[Sun]
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