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雪屑のエスカレーター





「……で、岳人が行ってしまいました」

私がさっき起きた出来事を、忍足さんと日吉さんに話し終わると
忍足さんは少し考え込んでいるようで、直ぐに言葉を返してこず黙り込んでいる
日吉さんも言葉が遣えた様で、しばらく黙っていた。

「……津軽さん、この件に関しては俺出来ることやってみるわ」

忍足さんの提案に巻き込んでしまう形で、少々申し訳ないが私は頭を下げ

「ありがとうございます」

とお礼を言う。


「いや、そんな畏まらんでええよ。元はと言えば岳人のアホが、ハッキリせんのが悪いんやから」

ん?何で岳人が悪いのだろうか…

不思議に思いながらも、私が質問する前に日吉さんが意地の悪そうに笑い

「ずいぶんな言い様ですね忍足さん。」

「しゃあないやん、岳人がものごつう鈍感やから言われるんや」


岳人が鈍感!?

何の話をしているのかが私には、さっぱりだった。

とりあえず忍足さんと日吉さんの会話を聞いていると、忍足さんがこちらに向き直り


「今日の晩に電話するわ、詳しい内容は後でな」

「ああ…はい」


よく解らないが忍足さんに電話すると伝えられ、忍足さんと日吉さんに別れを告げて家に帰った。




2014/9/21[Sun]

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