雪屑のエスカレーター
▽
次の朝いつもより早くに部室に向かうと岳人が待っていた。
部室にお互い気まずい空気の中入ると
いきなり手を引かれてバランスを崩す
それを支える様に岳人が抱き締めてくれた
お礼を言って離れようとするが、岳人はちょっと怖いくらいの力で私を抱き締めていて、身動きがとれないで居ると
「俺は絶対にお前を傷付けない」
「え?……」
いきなりいつもより低い声で真剣な声色が耳元で聞こえた。
「何で抵抗しなかった?いつもならまだ相手に対して生意気な口くらい叩くだろ!?」
苦しんでいるような、胸が引き裂かれそうな響を持った岳人の叫び
私は岳人の質問に答えることができなかった。
「……なぁ、七美。お前はどうして自分から幸せになろうとしないんだ?」
「……解らない。けど、幸せになることが悪い事なんだって感覚がある」
「………そっか」
頭を優しく撫でられる
昨日の夢と逆になってる
少し岳人の表情を見ようと横を向くと
酷く傷付いた様に辛そうな表情をした岳人がそこにはいた。
どうして岳人が傷付くの?
だけど、それを聞く勇気は私には無くて
岳人も腕を離してくれたから、岳人から離れた。
2014/7/5[Sat]
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