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雪屑のエスカレーター




嗚呼…可愛いかった けど、今日の夢は変。

いつもは私一人で雪景色の中にたたずむだけなのに

そして…一人だと酷く実感して懺悔するしかないのだ。

脳裏には誰かにいじめられる記憶が走馬灯見たいに走る


「………っ、いつもの夢に戻った」

また私一人になった。
冷たい空気、誰かの嫌がらせと悪口
胸が引き裂かれそうになった瑠樹が居なくなった喪失感。

夢の中だと毎回ながら、色あせることなく心の底から沸き上がってくる。


「……お前、いい加減にしろよ。楽になれると思ってんのか?」

聞き慣れたいじめの文句、だけどその言葉を発している声が岳人だった


「っ!」

振り替えれば、いつもの格好の岳人がそこには立っていた。

「岳人…」

「うるさいっ!」

次の瞬間思いっきり殴られていた。

「っう゛」

痛くて、何より岳人がこんな事をするなんてショックで
夢の中であることを忘れて怖かった。

岳人を見ると今まで見たことがないような憎しみの隠った目で、こちらを睨み付け

「いつまでも幸せに浸れると思ったら大違いだぜ!?」
「………!!」

何言っているの?
声が出なかった。

岳人がそんな事を言うとは思わなかったから。
夢であっても…

「俺達に仲間だと思われているとか……勘違いしてんじゃないだろうな!?」

「……」

夢なのになぜか、現実に引き戻されたような気がした。

今まで皆が優しかったのは、皆嘘で
目が覚めればまた元の生活に戻ってしまうんじゃないのかと思う。


「ごめんなさい。勘違いしてた…もう近付かない、許さなくていいです」

感情をもう一度消そう
表情を無くそう






2014/7/5[Sat]

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