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雪屑のエスカレーター



そうして、私が正式にマネージャーとなって1ヶ月がたった。




「跡部さん。書類を持ってきました」

生徒会長と言うこともあってか、多忙な跡部さんはここ最近生徒会室に缶詰になっていた。

そんな跡部さんが、部活のスコアやデータを欲しいと言い
仕方なく重い書類の束を生徒会室まで運び入れた。
跡部さんの前に書類の束を置くと

「嗚呼すまないな。ご苦労。」

「いえ、大丈夫です。」

私はそう答え、跡部さんは、小さく苦笑してから、私の背後を見た。
ドアの方をジッと睨んで、やれやれと肩をすくめている

「おい、出てこい向日」

呼ばれて観念したのか、ドアの方から息を切らした向日さんがいた

「な、何だよ気付いてたら先に言えよ」

「隠れている方が悪い」

鼻で笑ってから跡部さんは、書類に目を通す
もう向日さんは眼中に無いようだ。

「よし、津軽行って良し」

「はい、失礼しました。」


生徒会室から出ると、向日さんが待ってくれていた。

「なぁ津軽、また女子達にいじめられてないか?。ここまで来るのに何か危険な目に会わなかったか?」

私が正式にマネージャーとなった、その日から向日さんは私に更に関わるようになった

そして毎回1人でどこかに行く度に、同じ事を行ってくる。


この前、忍足さんに相談してみれば彼は爆笑して

「岳人もすっかり過保護やなぁ」

とっても楽しそうに笑い転げていた。
私からすれば笑っている場合じゃない
確かに嫌ではないけど、色々と困る事がある
そんな私の考えを知ってか知らずか忍足さんは

「ええお兄ちゃん出来たやん」

と、どこか嬉しげに言っていた。





2014/7/2[Wed]

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あきゅろす。
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