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雪屑のエスカレーター





その後からは、岳人はあの夢の内容について必要に聞かなかった。
けれど、放課後の帰り道に何かが変わってしまった。


「今日も疲れたな〜」

そう言うと岳人は思いっきり体を伸ばす
いつもの下校だけど、私は気が付いてしまった。
岳人は私の歩調に会わせてくれていること
わざと今日は明るく振る舞っていることに

岳人は優しい
でも、どうしてここまで優しくしてくれるのだろう

忍足さんも言ってたけど、岳人は私に対して過保護だ

嫌われる事が当たり前と化していた私の世界
けど、氷帝のみんなは優しい……でも、いつの日かは拒絶されるんじゃないかと思うと怖くてたまらなかった。


「何か有ったのか?」

「……うん。ねぇ岳人」


変かも知れない
私は幸せに馴れきってしまったのだろうか?

「皆に優しくされているのが、最近怖い」


岳人は歩いていた足を止めて、
こちらを振り返った。

その表情はちょっと怒った様な顔

「七美。確かにお前が元気無いのは知っていたけど、変な奴だな」

呆れたような口調で話し、私の頭を撫でる


「やっぱりな」





2014/9/13[Sat]

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