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雪屑のエスカレーター





テニス部の皆の言葉が、温かくて優しくて
私は胸が一杯になった。
「ありがとう」

気付けばそう口にしていて、心からありがとうと言う言葉が出てきた。

今まで張り積めていた緊張の糸が切れたような気がした。

ここにいる人達は私を、嫌ってない、憎んでいない

皆私を認めてくれている。


「っ……おい、津軽!?」

「お嬢ちゃん、泣いてんのか?」


え? 向日さんと忍足さんの言葉に驚きつつ
頬に手を当てると涙が指先に付く。

「……何で?。何で涙が?」

そう言っている間にも、涙がぽろぽろと目から溢れて頬を伝う。

悲しくもないのに、どうしてだろう?。

戸惑っている私に
跡部さんは、ぽんと頭を撫でてハンカチを差し出す。
「嬉し涙だろ。お前は今、嬉しいから泣いてるんだ」

「……っ、あの」


ハンカチを受け取りながら、何とか言葉を口にする

「一週間ありがとうございました。皆さん優しくて、とても楽しかったです。」

心から感謝を伝えたくて、ありがとうと言う意味を込めて頭を下げた。









2014/6/25[Wed]

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