[携帯モード] [URL送信]

雪屑のエスカレーター


「津軽七美。」

跡部さんに、いきなり呼ばれてビックリして声の方を見ると、満面の笑みをこちらに向けていた。

「お前は短い期間だったが、よくテニス部の為に働いてくれた」

「はい」

「だから、俺を含めてここにいる奴は全員お前に感謝している」

「はい」

跡部さんの言葉や皆の温かい視線が、少しずつ私の心を温かくしていく
こちらこそ、ありがとうが言いたい

初めは嫌だった
面倒事に巻き込まれたくない
地味に生きていこう

けれど私はあれだけ苦手だったテニス部に助けられた。
2日前から、テニス部から離れようと思考を巡らせてきた
皆に甘えてはいけない
色々と理由をつけては離れようと努力した

けど、皆は優しかった。

女子生徒の虐め事件以来、テニス部の皆は(大丈夫か?)と声をかけてくれて


「だから俺達はここで、お前に恩返しをしたい。津軽のマネージャー引退と誕生日パーティーだ」



嬉しかった

瑠樹以外に始めて誕生日を祝ってもらった。

皆が口々におめでとうと言ってくる。










2014/6/23[Mon]

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!