雪屑のエスカレーター
▼向日
涙を流しながら「ありがとうございました」と津軽は頭を下げる。
俺達こそ感謝を言いたい
津軽は
真面目な性格も有ってか、テニス部を避けつつも必ず、マネージャーとしての仕事をこなし
効率的なトレーニングメニューの考案や
その他の事を色々やってくれていた。
俺達が原因で
女子達に酷い目に会わされても
津軽は俺達を責めずに今日まで頑張ってくれた。
「津軽こちらこそ、ありがとうな」
「……はい」
小さく津軽は頷くと
今まで一度も見せなかった笑顔になった。
津軽の笑顔は
花が咲いたみたいな と言う言葉がぴったりで
俺も他の皆も
津軽が笑った事にビックリして
何よりも笑った顔が、物凄く可愛かった。
「……フッ、やっと笑ったな」
跡部は嬉しそうに笑ってから津軽に近づいて
「時間ギリギリだが、笑ったら…マネージャーを続ける条件だったよな?」
「あ!!」
津軽から驚きの声が上がる
「今さら無しにできるか、あーん?」
跡部の問い掛けに津軽は
しばらく答えを考えてるみたいで黙り込む
。
2014/6/28[Sat]
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