雪屑のエスカレーター ▼向日 「う゛ー」 変な夢を見た。 別に嫌な夢じゃない でも、何かスッキリしない 「どないしたん岳人?」 俺の隣を歩く侑士は、今日はちょっとイラッとするくらいにご機嫌だ。 俺がスッキリしない時に何で機嫌良さげなんだよ!? クソクソ侑士のヤツ 「何で機嫌良さげなんだよ?」 「解る?解ってまうか!?」 やけに話を盛るな めんどくさそうだから適当に話してやる。 「あーあ、解るー」 めちゃくちゃ棒読みで言ってやった。 「実はな…津軽さんの家って家の隣のマンションやってん!」 ん? 今なんて… 「マジかよ!?」 聞き返すと自慢げにペラペラと喋り出す。 何かコレを見ると 四天宝寺の忍足と侑士が従兄弟だと実感する 似てるよな… うるさくて喋るのが早いとことか。 と、現実逃避している場合じゃない。 津軽の家が侑士の家から近いだと!? 「侑士家の近くマンションって言ったら……まさかあの高級マンションか?」 「せや、しかも跡部が言うには独り暮らしなんやて」 なぜ侑士は、最後の独り暮らしに目を輝かせたんだ? 独り暮らししてるヤツくらい居るだろ他にも 「へー、アイツ大変だな。」 なんて、ろくでもない話をしながら学校に行っていたら 朝見た夢の事は俺の中から消えていった。 ───雪景色の中で見つけた女の子の夢。 2014/6/18[Wed] [次へ#] |