雪屑のエスカレーター
▽
学校が終わった後に、毎日通っている場所がある。
街で一番大きな総合病院。
ここには弟の瑠樹が入院している。
瑠樹は昔から身体が弱くて、ずっと入院生活を送っている。
「調子はどう?瑠樹。」
「あ、姉ちゃん」
病室に入ると点滴に繋がれながらも、ベッドの上で本を眺めている瑠樹がいた。
「今日は大丈夫!!。姉ちゃんは?」
「大丈夫。」
あまり笑えないけど、笑ってみせ瑠樹を安心させ様と試みる。
「嘘ばっかり、顔色が病人の俺より悪そう。」
と言いながらベッドの隣に座った、私の頭を撫でる
「……大丈夫なのに」
「怪我だらけの癖に?」
瑠樹は私が、虐められている事を知っている。
なるべく病弱な瑠樹には、気を使わせたくは無いが為に瑠樹の前ではなるべく表情を豊かにしようとする。
例え痛くたって、辛くても(大丈夫)だと言えるように
虐められていたとしても、私には瑠樹さえいれば他には要らない
「もう大丈夫。瑠樹の顔見たら、私は大丈夫」
そう……私には瑠樹さえいれば───
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