雪屑のエスカレーター
▽
「あ、跡部さん!?」
跡部財閥お抱えの医者らしき人物に近付かれ、どうしたら良いのか解らなくなる。
困ったので向日さんや忍足さんを見るが、
2人は諦めた様な表情で、残念そうな視線を投げ掛けてくる。
「おい。コイツの怪我の手当と、新しい制服を用意しろ」
跡部さんの声で
医者やメイドさんは、てきぱきと働いて
私は拒否権なく、
ただ翻弄されるがままに
跡部さんの計らいによって、私の傷は医者に治療してもらい
新しい制服を用意してもらった。
その後は向日さんと忍足さんに
今日のお礼と、別れを告げて
跡部さんの車によって、家まで送り届けられた。
「ありがとうございます。跡部さん」
「本当に大丈夫か?。何かあったら俺様に言えよ」
「はい。でも大丈夫です。」
私がそう返すと跡部さんは、
やれやれと肩を落とし
「ったく、人を頼れよ。お前の事は部活の連中は、みんな認めてるぜ。だからお前が困っていれば助けてやれる」
私に言い聞かせるように、
それだけ言うと跡部さんの車は走り去っていった。
2014/6/17[Tue]
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