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雪屑のエスカレーター



ジャージを着るとふわりと、香る自分や瑠樹とは違う臭い

違和感が有るけれど、
どこか安心するような不思議な感覚


それにしても、
向日さんは変わった人だ


私を助けたり
頭を撫でてくれたり


何はともあれ、ジャージも勿論だが、色々借りができた
とにかく、このジャージはきっちり洗濯して向日さんに明日には帰そう。


そう考えていると医務室のドアが、ガラガラと音を起てて開いた。


医務室に入ってきたのは、向日さんと忍足さん、それに跡部さんに樺地くんだ。


忍足さんが勢い良く身を乗り出し

「津軽さん。怪我したって岳人から聞いてんけど、大丈夫か?まだ痛いか!?」


立て続けにまくし立てる忍足さんに
何とか落ち着いて貰おうと

「だ、大丈夫です。かすり傷ですから」

と言っていると
医務室のソファーに我が物顔で座った跡部さんは


「向日から聞いたがカッターで斬られたらしいじゃねぇか、そんなんはかすり傷とは呼べないぜ」


そう言ってから指を鳴らすと医務室のドアから、
どうやら跡部財閥お抱えの医者らしき人物が入っていた。









2014/6/17[Tue]

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