雪屑のエスカレーター
▽
ジャージを着るとふわりと、香る自分や瑠樹とは違う臭い
違和感が有るけれど、
どこか安心するような不思議な感覚
それにしても、
向日さんは変わった人だ
私を助けたり
頭を撫でてくれたり
何はともあれ、ジャージも勿論だが、色々借りができた
とにかく、このジャージはきっちり洗濯して向日さんに明日には帰そう。
そう考えていると医務室のドアが、ガラガラと音を起てて開いた。
医務室に入ってきたのは、向日さんと忍足さん、それに跡部さんに樺地くんだ。
忍足さんが勢い良く身を乗り出し
「津軽さん。怪我したって岳人から聞いてんけど、大丈夫か?まだ痛いか!?」
立て続けにまくし立てる忍足さんに
何とか落ち着いて貰おうと
「だ、大丈夫です。かすり傷ですから」
と言っていると
医務室のソファーに我が物顔で座った跡部さんは
「向日から聞いたがカッターで斬られたらしいじゃねぇか、そんなんはかすり傷とは呼べないぜ」
そう言ってから指を鳴らすと医務室のドアから、
どうやら跡部財閥お抱えの医者らしき人物が入っていた。
2014/6/17[Tue]
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