雪屑のエスカレーター
▼向日
女子達は俺を見るなり青ざめて
急に大人しそうな表情になる
「あ、あのね向日くん。これには事情が…」
何だよ、それ…
さっきまでの態度とは、まるで違う
「うるせぇ」
あまりにも女子達にムカついてきて、
思わず怒鳴り声をあげてしまう
「向日くん…」
どんなに可愛い子ぶったって、お前らがしていた事に変わり無い
「俺らテニス部に近付くな」
口々に「えー」 「そんな」 「ひどい」 とか女子達は言うが
俺からすればお前達の方がよっぽど酷い
「近付くなっ!!」
もう一度女子達に、怒鳴り散らすと
女子達は走り去っていった。
それを見届けてから、
慌てて津軽に駆け寄った。
「津軽大丈夫か?」
「コレが大丈夫に見えたら、向日さんは変な人」
いや、大丈夫…じゃないか。
怪我してるし、泥まみれ出し………ん?
よくよく考えたらコイツ制服結構破けてるし
制服の破けた部分から、決して見てはいけないゾーンが
「あ゛っ!。ゴメン!!。とりあえずコレ着とけ」
そう言って俺は自分のジャージを津軽に被せる。
「あ、ありがとうございます。」
そう言って津軽は、てきぱきとジャージの袖を通す。
2014/6/16[Mon]
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