雪屑のエスカレーター
▼向日
しかし、津軽は女子達に決して臆する様子はなく
「ねぇ、津軽さんは自分の立場解ってるのかしら?」
女子生徒が、津軽の胸ぐらを掴かみ、髪を引っ張る
それでも津軽は女子生徒をじっと静かに見つめていた。
止めに入るなら今だろうと
多少、女子達の殺気にビビりながらも
俺は意を決して津軽の方へと向かうと
女子達に対して津軽が、淡々と言葉を口にする。
「立場なんて関係無い。しょせん、虐めやってる時点で立場が無いのはアンタ達でしょ?」
「なっ?」
津軽の言葉に逆ギレしてか女子生徒の1人が、津軽に殴りかかる。
「イラつく、そんな口聞かせなくしてやる!!」
殴られると解ったのか、諦めた様に津軽が目を閉じる
……もう、止めろ!!
アイツ無抵抗じゃないか なんで、やり返さないんだよ……なぁ
「津軽っ!」
気付けば、そう叫んでいた。
俺の声が聞こえたのか、
津軽がゆっくりとこちらを見る。
一瞬アイツは驚いた様な顔をして
声は出していないが
口が開き『なんで?』と、そう言った。
2014/6/16[Mon]
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