雪屑のエスカレーター
▽
授業が終わって
私はテニス部の部活に向かった。
朝練の時に教えられた作業をこなしていると
あの朝の出来事を思い出す。
掃除をしただけだったに
向日さんに「ありがとう」と言われた。
不思議な感覚だった。
瑠樹に褒められたときの様な感覚
頑張って良かったと、そう自然と思えた。
しかしそう思っているのもつかの間
朝、女子生徒達に叩きのめされ
花壇の土を投げつけ、被せられた
その時に渡された手紙には
『部活の仕事が終わったら、中庭に来ること』と書かれている。
今までの経験上、指定した場所に行かないと
逆上して更にエスカレートした行動に発展するケースが多い
これ以上めんどくさくなるまえに
大人しく殴られて置けば、一時的には面倒なヒステリーに会わなくて済む。
全ての掃除を終わらせ
ユニホームを畳んでそれぞれのロッカーの前に置き
ドリンクの入ったかごをテーブルに置く。
全ての準備を整えたことを確認してから
私は部室を出ていった。
向かう先は、
手紙に書かれていた中庭。
2014/6/15[Sun]
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