雪屑のエスカレーター
▼向日
授業が終わりテニス部の部室に行くと
すでにドリンク・タオルは、
かごの中に取り揃えられていた。
侑士はそれを見て
「お嬢さんは、仕事覚えんの早いんやな」
とか言いニヤついていた
「侑士、大丈夫か?。顔がニヤけ過ぎだぞ」
「しゃーないやん、津軽さんが頑張っているところ想像したら…何かグッとくるやろ?」
頑張っているなとは思うけど、ニヤけるまでは行かないな
「俺にはそういうの解んねぇ」
そう言ってテニスコートに入り部活を始めた。
ただ頭の中で、
どうしても津軽のことが引っ掛かっていた。
模擬試合で侑士と打ちあいをしていると
侑士は俺の打ったボールを打ち返しながら話し掛けてきた。
「なぁ、岳人。何か悩みあるやろ?」
「ん?いきなり何だよ侑士」
俺そんなに態度に出てるか?
確かに津軽の朝の事が気になるのは、事実だけど
「珍しく難しい顔してるからなぁ」
喋らなければ侑士の奴は、ずっと聞いてくるか
もしくは俺が黙秘を続けると、怒って侑士のヤツは心を閉ざすか
そのどちらかだ
俺の中で一番最良な方法
諦めて話した方が、良さそうだ
2014/6/15[Sun]
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