雪屑のエスカレーター
▼向日
朝の授業になぜか津軽は、
数人の女子と共に遅れて教室に入ってきた。
ただそれだけなら、
そんなに気にする事でも無いけど
アイツの制服だけが、
砂ぼこりにまみれていて
女子生徒達は少し大きな声で
「津軽さんは、ドジッ子よね。まさか転んで花壇に突っ込むなんて」
とか、言っていた。
何で花壇の近くに居たんだろうか?
短い間だが津軽が教室に戻るまで、
寄り道するような奴にも見えない。
席に座った津軽に
「大丈夫か?」
声をかけると
「何がですか?」
素っ気ない返事が返ってきた。
それから放課後までの
津軽の表情は、
何と無く今まで以上に無気力で
本物の人形みたいな顔をしていた。
本当に大丈夫何だろうか?
朝練のときに見たあの津軽が困ったような照れているような
そういう、人間味のある表情を見たせいからか
津軽が人形みたいな表情をする事に、
違和感を感じ始めていた。
2014/6/15[Sun]
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!