雪屑のエスカレーター ▽ 「あの、大丈夫ですか?」 慌てた様子でこちらに近づき、しゃがみ込む やっぱり見たことある、エエッと鳳だったけ? 「大丈夫。」 「えっ!?でも足血が出てますよ」 右足の痛みの正体は尻餅をついたときに擦りむいたみたいだった 「おい、お前大丈夫か?」 「本当に、大丈夫です」 とは言え、このまま帰るのは嫌だし保健室行こう 確か右側の校舎に在ったハズ。 「大丈夫って言うけどなぁ、以外と酷いぞ。長太郎!!だから力入れすぎだって言っただろが!!」 「す、すみません宍戸さん」 鳳さん本当に大型犬みたいだ 宍戸さんは良い飼い主みたいだな、なんてなんか微笑ましく思えた。 でもこの2人からの会話だと、きっとさっきのボールは鳳さんが打ったボールなんだろう。 そう思いながら、ゆっくりと立ち上がる 「おい、お前!無理すんな。結構酷く擦りむいてんだ」 「………っ、大丈夫です。」 これ以上関わる気はない とにかく一人で保健室に しかし突如身体がフワリと浮いた。 「……っ!?」 「すみません。今回は俺のボールで、怪我をさせてしまったので俺が運びますね。失礼します。」 「なっ、結構です。」 だが、私の言葉は見事にスルーされ、鳳さんに抱えられ、いつの間にか宍戸さんは私の持っていた荷物を持っていた。 2014/2/12[Wed] [*前へ][次へ#] |