雪屑のエスカレーター
▽
翌日、学校に登校すると女子達から声をかけられる。
「津軽さん、いつの間に忍足くんに手を出したの?」
「……え?」
私は訳が解らなくて、首をかしげていると、
声をかけてきた女子対して、聞き覚えのある声がかかる。
「なぁ、お嬢さん。その噂は何処からや?」
女子生徒は振り返ると、そこには侑士が立っていて怖いくらいの無表情で女子生徒を見ていた。
女子生徒は悪そうな表情を浮かべて
「あ、エッと…友達から。それに、ほとんどの生徒に噂は出回っているけど」
消え入りそうな声で答えて「ごめんなさい」と言い残し、侑士から逃げるように去っていった。
ちょっと可哀想なくらいに、侑士が無表情で見たからか
私はあの女子生徒に、何と無く同情してしまう。
「誰や、こないな噂を広めた奴は」
無表情で苛立ちの隠った言葉を吐き捨て、辺りを見舞わす。
確かに侑士の言う通りで、いったい誰がこんな噂を短時間に広めたのだろう。
2014/11/16[Sun]
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!