雪屑のエスカレーター
▼向日
遠目に見えるテニスコート、その端で楽しそうに話している七美と侑士。
クラスメイトの女子から「さっき七美が忍足くんに告白したの見ちゃった」と騒ぎ立てていた。
嘘だ、きっとまた七美への嫌がらせか何かだろうと思って
俺は無視して部室に戻ろうとした。
しかし 近づくに連れて2人の会話が聞こえてくる。
「これからも、よろしゅうな#七美ちゃん」
「はい、侑士…さん?」
「あははっ、くく……別に呼び捨てでエエねんで」
「あ、エッと…はい。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。侑士」
何だよコレ!?
オマケに名前呼びかよ
さっきの女子からの言葉が嘘ではないんじゃないかと頭によぎる。
俺はそのまま部室に駆け込み、侑士や七美が来る前に着替えて
2人が部室にまだ来ないことを確認し、逃げるように家へと帰った。
帰り道、俺は侑士の事を考える
電話では七美と俺が仲直りする事をあんなに進めたのに
実は俺が七美と離れている間に、2人は距離を縮めていたのかもしれない
そして七美は、俺じゃなくて侑士を選んだ
そう言う事じゃないだろうか?
朝から確かに2人が、前より仲良くなっていた感じは合ったし
そっか俺は、振られたんだ。
2014/11/9[Sun]
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