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雪屑のエスカレーター




「あの忍足さん。今回の件で大変お世話になったので、何かお礼をしたいのですが」

すると、忍足さんは「せやな…」 と呟いてしばらく考え込むように眼鏡をかけ直すと

「……ほんなら、名前で読んでくれへんか?」

「へ?名前ですか?」

私の質問に忍足さんは頷き

「苗字で呼ぶと、何か他人行儀やろ。津軽さんと俺は今日から岳人繋がりの友達になってくれへんか?」

ちょっと予想外の提案に戸惑いながらも、忍足さん…侑士がそう言うならばと私は頷いた。

「これからも、よろしゅうな#七美ちゃん」

「はい、侑士…さん?」

さすがに呼び捨ては、言いにくくて「さん」をつけると
侑士…さんは、何が面白かった笑い始めた。

「あははっ、くく……別に呼び捨てでエエねんで」

「あ、エッと…はい。」

侑士の笑いが止まったところで、改めて侑士に向き直り

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。侑士」


そう言い終わると、私達は今朝がたのように笑い合った。

ただ変わったことが有るとしたら、友達になったのと名前呼びになったこと


しかし、私達が笑い合う影で既に大変な事が起こり始めていた。





2014/11/9[Sun]





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あきゅろす。
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