雪屑のエスカレーター
▽
岳人に呆れながらも、私は岳人のところに向かった。
「岳人。おはよう」
「おう、七美おはよう」
ようやく飛び回るのを止めて、笑顔を見せる。
岳人の隣で苦笑いをしていた忍足さんにも「おはようございます」と声をかけると、忍足は苦笑いからようやく助かったと言いたげに微笑み
「おはようさん」
私も大変でしたねと意を込めて、苦笑いを送ると意味合いが伝わったらしく
「大変やなお互いに」
「はい」
確かに跳ね回っている岳人を止めるのは大変なこと
オマケに跳ね回っている理由が、私で有ることが嬉しいけど何か複雑
忍足さんも私の心情を知ってお互いにと言ったのだろ。
思わず2人して同時に、吹き出すように笑うと
岳人が不機嫌そうに、私と忍足さんの間に入って
「な、何だよ2人して。クソクソ俺は仲間外れか!?」
私と忍足さんが笑い合っている理由が、まさか自分で有ることを知らない岳人は「ズルい、ズルい」と騒ぎ立てる。
あんまり放って置くと更に「ズルい」と騒ぎ出すため、私は岳人に近づき
「仲直り出来て嬉しいから、笑っちゃった。ごめん」
そう言うと岳人は、まだ少しふてくされて居るが機嫌をさっきよりは直した様で
「そうだな、七美」
と言って今度は岳人と笑い合った。
しばらくして、岳人と忍足さんはユニフォームに着替えに部室へと向かい
私は今日の練習メニューとドリンクを確認し、部員の出席表を付けていく
2014/11/9[Sun]
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